2010年11月07日

「グレイ&ピンク」A面からピアノワークスへ

【 In The Land Of Grey And Pink A面から Pianoworks へ 】

 アルバム In The Land Of Grey And Pink は A面4曲のうち、1、2、4曲目がリチャード・シンクレアの作で、3曲目のみパイ・ヘイスティングの作です。

 一般的にデイヴの鍵盤奏者としての特徴は、B面で展開されるような、ファズで歪ませたハモンド・オルガンのサウンドにあるとされています。
 デイヴのオルガンが、ソフト・マシーンのマイク・ラトリッジのオルガン(ハモンドではない)サウンドと双璧をなす、カンタベリー音楽のアイコンであることに異論はありません。しかし、後のデイヴの人生を見てみたときに、1980年〜2005年の間、ハーン・ベイでピアノ店を経営していた事など、鍵盤楽器としてのピアノへの傾倒ぶりは明らかです。
 そう、デイヴがその独特のピアノ・・テクスチャーをはじめて披露したのが、このアルバムA面4曲目、“In The Land Of Grey And Pink”中間部のピアノソロだった訳です。

 点描的で流れるような単音、艶があって踊るような跳ねるようなパッセージ・・・もう天性のものとしか言いようのない、極上のセンスの運指がそこにはありました。
 以前リチャードとこのアルバムのA面について議論したことがありますが、「あの曲のピアノソロこそがA面のハイライトである。」ということで意見が一致したことを覚えています。

 実を言うと、このたび“Pianoworks”シリーズを企画したのは、あのピアノソロを拡大、連続させ、アルバム丸々ああいう音世界で埋め尽くしたい、という私の思いからでした。それが叶ったかどうか?  
評価はリスナーの皆様にお任せしますが、プロデューサーとしては結果に大変満足しております。私の中では、大好きなメンデルスゾーンの『無言歌集』を凌駕したピアノ曲集になりました。

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posted by Crescent Label Master at 10:26| コラム