2010年12月31日

Pianoworks I 序章

デイヴは永い年月をかけて、非常に個性的なピアノ演奏様式を築いてきましたが、現在に至るまで、ピアノソロのライヴや録音はほとんど行われてきませんでした。
1980年から2005年の間、デイヴはカンタベリー近郊で、アコースティック・ピアノを修理、販売するピアノショップを経営して家族を養っていました。それ故、この時期にはグループ活動と疎遠となり、必然的にピアノ演奏が以前にも増して独特なものとなっていったのです。

2005年、日本移住後、Aadbeg社はデイヴにアコースティック・アルバムの録音を持ちかけました。制作の契約がなされましたが、Aadbegから、フル・バンドヴォーカル付きのスタジオ録音盤と、ピアノソロ・アルバムの2枚の制作を提案したため、契約が変更となりました。
これは幸運な方針転換でした。なぜならば、デイヴは永い間、友人や支持者達から、ピアノソロ・アルバムを録音するよう薦められていたからです。
デイヴは、書き貯めてあった膨大な楽曲のストックが、他の様式で近日中に日の目をみることがなさそうなことを理解して、京都のホームスタジオでそのうちのいくつかを録音する準備を整えたのです。

当初、東京で特別に選んだスタインウェイ(アルバムの写真参照)を使用するつもりでしたが、結局、スタジオや東京までの距離的条件のために、実行不可能となりました。
最終的にデイヴは、よりリラックスした環境である自宅のスタジオで録音することを選びました。

元々多くの曲には歌詞が付いていましたが、メンデルスゾーンの「無言歌集」にならって、ソロの器楽演奏用の修正を加えるようデイヴに推奨しました。
デイヴの様々な才能を使った、楽器に関する永いプロとしての関わりからして、「ピアノワークス」は、アルバムのタイトルとして理想的であるように思えました。

ヴォーカルも歌詞もなかったので、デイヴは何らかの曲の背景を示すのが適当であると結論付けました。それで、個々の曲に関する彼自身の解説を掲載した次第です。

最後に、音楽はMIDIを使わずリアルタイムで録音され、編集を最小限に抑えたことに言及しておきます。

2010年秋 制作責任者 安藤貴紀
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